JGC通訳ボランティアBLOG

2011年5月12日木曜日

【通訳ボランティア活動記録】 Back Number (1)

SC-0は、4月13日水曜日深夜に仙台・宮城野区に向けて東京を出発。翌朝から実質3.5日の
現地活動を開始した。
  SCはハイチでも実績のある国際救援隊である。4月13日時点で約40名が、石巻(仙台
ベース10名)、女川((現地キャンプ20名)、気仙沼(会員の実家を拠点に10名)におい
て、マッサージ提供、物資提供、物流・労働支援、を中心に展開していた。
SCのメンバーは、米国、英国、オーストリア、オーストラリア、ドイツ、メキシコ、スペ
イン、台湾、日本の10の国と地域で構成されている。
  このような環境の下、JGCボランティア通訳に求められるミッションについて、以下の
3点であることをSCの現地責任者と確認をした。
1 SCメンバーによる支援活動提供時の通訳。
2.被災地・被災民、SC以外の自衛隊等支援組織およびSCメンバー間の文化・言動ギ
ャップの緩和・アドバイス(例えば、被災者を考慮したマスク着用の有無等)。
3.SC現地活動環境改善に係るアドバイス・調達支援(ネット環境や設備・備品購入時の
サポート等)
換言すれば、単なる「言語の通訳」ではなく、JGCボランティア通訳が要支援者と支
援者の“こころの架け橋”になることであり、まさにJGCボランティア通訳事務局設立の
趣旨と合致している。また、この点は、対SCのみならず他の国際団体と今後協働してい
く上でも、大変重要なポイントであると考えている。
さて、SC-0隊員Oとしては、今回初めて現場・現物・現実ベースで被災地と関わりを
持ったが、そのいくつかをご紹介させていただく。
○3・11を語る被災者の方に共通する表情
  数名の被災者の方、老若男女と親しくお話をする機会を得たが、みなさんに共通するこ
とは、被災状況を語る表情が実に淡々としていて、Oにはまるで物語を読み聞かせてもら
っているような印象を受けた。ひとは、大きな衝撃をうけたとき、感情をこころの扉の奥
底に鍵をかけてしまいこむ、といったことを学んだことがあったが、語られる内容とみな
さんの表情の間に、なんとも表現し難い違和感を覚えた。
 ・ケース:80歳前後の婦人
  避難所のグランドでの立ち話。
  O「おはようございます」
    婦「おはようございます。今日は少し暖かいですね。さっき山の方に歩いていったら
花芽がほころんできているの。もう春ですね。」
  O「そうですね。早く暖かくなるといいですね。」
    婦「私の身内も随分と亡くなってしまったけど、寒いと避難所生活も大変だからね。
ところで、みなさんはテントで寝泊まりしているの?  朝晩冷えるのに大丈夫?  ご苦労
さまですね。」
    しばし、世間話をして立ち去る夫人の右手には、バケツとタオル、そしてお線香の箱
が。夫人が遺体安置所の方向から歩いてこられたこと、きっと早朝からご遺体に寄り添
っておられたであろうことに、不覚にもその時になって初めて気付いたOであった。どこ
にでもある世間話、どこにでもある青空。しかし、そこには被災という重い現実がある。

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